著作権業務

著作物を生み出した人には、著作権と著作者人格権が発生します。著作権の存続期間は、著作者の死後70年間となっていますので、100年以上保護が及ぶことも少なくありません。また、海外で生み出された著作物も、日本において自動的に保護されますので、海外の作品だからといって迂闊に利用をすると、著作権を侵害することになりかねません。「著作権フリー」と書いてあるものでも、本当に安心できるものかは検討が求められます。また、著作権者の許諾が必要なく著作物を利用することができる場合であっても、著作者人格権を侵害するような利用は認められていません。このように、著作物を利用する場合には、いくつもの注意事項があります。

もちろん、著作権法は、単に著作物の利用を禁止するだけの法律ではありません。著作物の適正な利用が進むことで、社会により多くの良質な著作物が生み出されることになり、ひいては世の中の文化的な充実が図られるようにしようとするもので、文化産業の発展のための基幹となる法律です。それゆえ、著作物の利用の方法が著作権者の利益を害するような行為である場合には、著作物を利用しようとする人は、著作権者から適切な許諾を受けるべきとする一方、著作権者の利益を害しないような行為である場合には、著作権法が定める範囲で適切に利用をすることが認められています。もっとも、許諾なしに利用ができる場合でも、コピーは認められるがインターネットで公開することは認められないということもあるため、現代ならではの難しさもあります。

弊所では、このような著作権ならではの課題を克服するための多くのメニューを用意しております。貴社のコンテンツが無断で利用された場合の対応はもちろん、他社の権利を侵害してしまうことでレピュテーション(評判)が下がってしまいブランド価値が毀損することのないよう、最適な方策をご提案致します。

著作物の利用許諾(ライセンス)契約


著作権に基づいて、第三者に著作物の利用を許諾することができます。著作物の利用許諾にあたっては、契約の相手方との間での過不足のない契約の締結が欠かせません。

著作権の譲渡契約


著作権社は、第三者に著作権を譲渡することができます。著作権の譲渡にあたっては、契約の相手方との間での過不足のない契約の締結が欠かせません。

なお、著作権の譲渡は、文化庁等における登録が第三者対抗要件なので、登録をしない間に著作権の二重譲渡があった場合に、後から現れた譲受人が登録を受けてしまうと、後から現れた譲受人が優先することとなってしまいます。著作権の譲渡による移転を確実なものとするには、文化庁等への登録が不可欠です。

著作権登録


著作権は、著作物を創作した段階で、何らの手続も要することなく発生します。しかし、権利の存続や移転・設定などに関しては、登録制度が設けられています。用意されている登録制度は以下のとおりで、必要に応じて積極的に利用をすることで法的安定性を高めることが可能になります。弊所では、著作権登録についての相談から承っております。

  • 実名の登録
  • 第一発行(公表)年月日の登録
  • 著作権の譲渡の登録
  • 著作権の移転の登録(相続その他の一般承継)
  • 著作権の信託の登録
  • 著作権を目的とした質権設定等の登録
  • 出版権の設定等の登録
  • 著作隣接権の移転等の登録

確定日付の取得


公証役場で確定日付を取得することで、その物件が当該日付において確かに存在していたことの証拠を確保することができます。著作物の創作日や発行日、発行時の名義など、ご要望に応じて確定日付の取得の手配を行います。

著作権侵害物品の税関での差止(申立・職権による輸入・輸出差止)


国内外で模倣品(権利侵害品)が流通している場合、日本への流入又は日本からの流出を阻止するため、税関に輸入・輸出の差止を申し立てることができます。差止申立により、最長で4年間、全国の税関において模倣品(権利侵害品)の差止が行われることになります。また、模倣品(権利侵害品)と目される物品(疑義物品)が検出された場合には、輸入者の名称(氏名)・住所などの情報も入手できるようになります。

事業承継・M&A支援


事業承継・M&Aの場面においては、事業承継・M&Aの形態や契約内容に応じた著作物の適正な把握と著作権の確実な移転が求められます。また、事業承継・M&Aを契機として、権利処理を確実に行うことも、承継後の事業の発展のためには欠かせません。

外国における著作権登録


日本の著作物であっても、「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」(以下「ベルヌ条約」と言います。)の加盟国では、日本で与えられる保護の限度で、その国で与えられる保護と同様の保護が与えられます。また、ベルヌ条約では、著作物を創作した時点で自動的に著作権が発生し保護されることが定められているのですが、この条約には179ヶ国が加盟(2021年5月時点)していますので、世界の多くの国で自らの著作物について著作権を取得しようとする場合でも、特に手続を執る必要はありません。つまり、世界の多くの国で日本の著作物が既に保護されていると言えます。しかし、外国で著作権登録を受ける効果やメリットはあります。

例えば中国では、著作権者の登録を受けておくことによって、著作権がその著作権者のものだということの推定を受けることができます。著作権が自らのものだということの推定を受けられるということは、著作権を侵害するかどうかの裁判になった場合に、原告としては著作権登録証書を提出すれば、著作権が自らのものだということを積極的に立証する必要がなくなります。この場合、被告としては、著作権が原告のものではないことを自ら立証していかないと、原告が著作権者であるという前提で裁判が進んでしまいます。

また、米国の著作権登録に関しては、日本の裁判で、米国では不実の著作権登録に対する罰則が設けられているなどの理由から、米国著作権登録にてレコード製作者として記載されていることが、たとえ著作権登録が実質的審理を経ないで行われるとしても、レコード製作者の権利を有していることの一応の証拠となると判断した事例もあります(東京高決平成9年8月15日(平成8年(ラ)第2324号)参照)。

助成金・補助金の申請支援


外国における著作権登録に関しては、自治体、公社などから助成金が用意されています。弊所では、必要に応じて税理士・中小企業診断士等の専門家とも協力を行いながら、助成金・補助金の取得による資金調達の支援も行なっています。

その他


上記に記載のないものでも、できる限り対応致します。弊所までお気軽にお問い合わせください。

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