「知的財産は難しい」とよく言われます。このblogは、知的財産に関する疑問・悩みに答えていく「解説」記事です。「知的財産が分かった」を目指して、すっと理「解」していただけるように噛み砕いて「説」明していきます。
さて、今日のお題は「トレードマークとサービスマーク」です。
目次
- 「ブランド」の起源は家畜の焼印
- 「マーク」には2種類ある
- 日本におけるサービスマークは平成4年に導入された
「ブランド」の起源は家畜の焼印
歴史的に見ると、大昔は、猟で得た食材や収穫物を互いに交換する、物々交換がされていました。その後、流通の促進のために貨幣・通貨が生まれて、形ある物の流通が進んだとされています。
ここで、形ある物というのが商品で、よくいう「ブランド」というのは、商品である家畜の牛にした焼印が起源だとも言われています。
この焼印によって、生産者や販売者が誰であるかが確認できるため、品質が安定するということで、世の中に普及していったと見ることができると思います。
「マーク」には2種類ある
さて、今回のタイトルにもあるように、「マーク」には「トレードマーク」と「サービスマーク」の2種類があります。トレードマークとサービスマーク、これは一体どういうものでしょうか。
強いて日本語に置き換えてみると、商品標(しょうひんひょう)と役務標(えきむひょう)とでも言えるかと思います。
冒頭の牛の焼印は、牛という商品の目印なので、商品の目印(標)なのでトレードマークと言えそうです。
一方、サービスマークとは一体どういうものかというと、これは形ある物ではなく、形のないサービスの目印を指して使われます。
世の中を見渡すと、例えば、洋服のクリーニング店や旅行代理店、レストラン、病院といった、無形のサービスを提供し、利用者はそれに対価を支払う、という関係が生まれています。
こうした無形のサービスの目印を、サービスマークと呼ぶことがあります。
日本におけるサービスマークは平成4年に導入された
商標登録を受けようとするときには、全部で45の区分から、どの区分での登録を受けようかと検討するわけですが、そのうちの35〜45の11区分がサービスに関する区分になっています。
平成4年の商標法改正までは、サービスマークの登録は日本では導入されておらず、約30年ほど前に後から導入されたという経緯があります。
現代では、トレードマークもサービスマークも一括りにトレードマークと呼ぶことも少なくなく、実は、区別にあまり実益はありません。
しかし、いざ商標権を取得しようと考えるときには、それは一体何の目印なのか、つまり形ある商品の目印なのか、それとも形のないサービスの目印なのか、ということは、しっかりと検討していく必要があります。
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