わかって納得の知財ブログ

008:【事業者向け】英国のEU離脱(Brexit)後の商標・意匠の手続の期限等について

「知的財産は難しい」とよく言われます。このblogは、知的財産に関する疑問・悩みに答えていく「解説」記事です。「知的財産が分かった」を目指して、すっと理「解」していただけるように噛み砕いて「説」明していきます。

さて、今日のお題は「英国のEU離脱(Brexit)後の商標・意匠の手続の期限等について」です。

ご存じのように、2020年12月31日をもち、英国がEUから離脱しました。これに伴い、これまでEUで保護されていた商標・意匠についての保護が英国には及ばなくなりました。

これが、英国における商標・意匠にどのような影響を与えているのか、ごくあっさりと、解説したいと思います。

目次


  • 2021年1月1日時点で登録になっているものはクローンが作られている
  • 2021年1月1日時点で未登録(出願中)のものは2021年9月30日までに手続を

2021年1月1日時点で登録になっているものはクローンが作られている


英国知的財産庁は、Brexitに伴うEU登録に基づく英国領域における保護の喪失に対する措置として、EUにおける商標登録・意匠登録と同等のクローンを生成することとしました。

このクローンは、2021年1月1日時点で生成されており、本記事執筆時点では、既に存在しているものとなります。

EUを指定している国際登録商標については、国際登録番号の先頭に「UK0080」又は「UK0081」を、EUに直接出願した商標登録については登録番号の先頭に「UK009」を付したものがクローンの登録番号となっています。

少し専門的な話になりますが、国際登録に基づく事後指定でEUを指定した場合には「UK0081」で、それ以外(つまり普通の国際出願でEUを指定したもの)が「UK0080」となり、全部で13桁の英数字になりますので、もし番号を入力して見つからないという場合には、事後指定ではないかを確認してみてくださいね。

もし既にEUの登録を保有されているようであれば、以下のリンクからご確認いただけます(英語のみ)。

英国知的財産庁|商標データベース

2021年1月1日時点で未登録(出願中)のものは2021年9月30日までに手続を


一方で、2020年12月31日時点でEUに出願中(未登録)であったものについては、どうなるのでしょうか。結論から申し上げると、クローンは生成されていません。

クローンが生成されるのは、基準時点において登録に至っているものに限られているからです。

しかし、英国では、こうしたものについても救済措置を設けています。

具体的には、2021年1月1日時点でEUに出願中(未登録)であったものについても、出願人が別途英国知的財産庁に手続を執れば、元々のEU出願の出願日を基準とした英国出願がされたものとして取り扱ってもらうことができることになっています。

もっとも、この救済措置の手続期限が2021年9月30日となっていますので、もしご希望の方がいらっしゃいましたら、お早めにご相談いただければと思います。

このことについて、詳しく書かれている記事をご覧になりたい方は、以下のリンクもご参照ください。

JETRO |英国知的財産庁(UKIPO)、英国のEU離脱後の商標・意匠の手続の期限等について再周知


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