弁理士試験をどのように独学で乗り切って合格に至ったかをお伝えしています。過去記事は以下の通りですので、宜しければご覧ください。
- 051:弁理士試験に独学で合格した話①「導入編」
- 052:弁理士試験に独学で合格した話②「なぜ独学を選んだか」
- 054:弁理士試験に独学で合格した話③「一発ずつ合格までの大まかな流れ」
- 055:弁理士試験に独学で合格した話④「難解な条文をどう扱うか」
- 056:弁理士試験に独学で合格した話⑤「難解な条文をどう扱うか|その2」
さて、今日のお題は「どのような教材を使うか」です。予備校に通っていれば、予備校が指定するテキストや問題集があり、基本的にはそれを使って勉強していれば良いことになります。しかし、独学での合格を目指す場合、予備校のテキストは使えませんので、教材選びから引っかかることになります。
今回の記事では、実際に何を使ったかを、記憶の限り列記していきたいと思います。今では既に廃版になっているものもあるかと思いますが、類書はあるでしょうし、参考にして頂けたらと思います。
ただし、お読み頂く前に断っておきますが、受験界の常識と呼ばれることは、ことごとくやっていません。受かった身からすれば、合格という目の前の目標を達成するために必要なことが何かということを徹底的に考え、最短距離で突き進んだのだと肯定的に捉えていますが、かといって万人におすすめできるかというと、正直申し上げてそれは分かりません。この点、ご承知おき頂きつつ、参考にして頂けたらと思います。
目次
- 短答式試験
- 論文式試験必須科目
- 論文式試験選択科目(民法)
- 口述式試験
短答式試験
過去問に取り掛かる前に、最低限のテクニカルタームや考え方は知っていないといけません。かといって、学術本ではなかなかに噛みごたえがありすぎます。このため、予備校が発売する入門書や、薄めの概説書をまず読み、全体像を掴んでから過去問に移りました。入門書や概説書は、勉強の進度に合わせ、必要に応じて参照していました。
過去問の解説や条文を読んでもよく分からず、入門書や概説書にも書いていないような点については、他の書籍に当たったりもしましたが、その部分だけをつまみ読みするくらいでしたので、一覧には挙げていません。
・予備校が一般書として販売する入門書
・知的財産権法概論(有斐閣)
・産業財産権四法対照(PATACH企画)
・弁理士試験 体系別短答過去問(LEC)
・意匠審査基準(特許庁)
・商標審査基準(特許庁)
このほか、条約については、荒木 好文先生の「図解」シリーズを持っていましたが、短答式試験に受かるという目的からすると、条文を素読すれば足りるのではないかと思います。
不正競争防止法と著作権法も、基本的には条文と、過去問に出た判例などを押さえておけば足りるので、これといって追加の書籍はありません。
論文式試験必須科目
論文式は、規範の暗記が必須だと言われていますが、本当に必須かはやや疑問です。
手に取った書籍は他にもありますが、実質的に使ったものは以下のものです。
・知的財産権法文集(PATACH企画)
・弁理士論文過去問マスター(法学書院)
・意匠審査基準(特許庁)
・商標審査基準(特許庁)
論文式試験選択科目(民法)
論文式の選択科目は、準備期間が短かったこともあり、使ったものは以下のものだけです。
・判例六法(有斐閣)
・新問題研究要件事実(法曹界)
・過去問(特許庁)
口述式試験
当時の口述式試験は、条文の暗誦をして、一言一句合っていないと先に進めない運用になっていたので、とにかく条文の暗記がメインでした。再現問題と模範回答がコンパクトにまとまっていた「口述試験バイブル」は、重宝しました。
・4法対照整理ノート(発明協会)
・弁理士試験 口述試験バイブル(早稲田経営出版)
・意匠審査基準(特許庁)
・商標審査基準(特許庁)
・工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(特許庁)
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、受験界のバイブルと呼ばれる工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(通称「青本」)は、口述式試験になるまで使いませんでした(本当です)。
口述式試験は、これで落ちたら次回は短答式試験からやり直しということもあり、青本を10月に入ったくらい(つまり口述式試験の2〜3週間前)に焦って買って読んだため、一応リストには挙げていますが、そのくらいまで使っていませんでした。
なお、最重要科目である特許法に関連して、特許審査基準というものもありますが、受験に当たっては、たまに特許庁ウェブサイトで閲覧したことはあった程度です。ボリューム的にも通読するようなものでもありませんし、なくても合格できると思います。
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