新たに事業行う場合、開業届を提出したり会社設立をすることになりますが、一部の業種では、更に「許認可」を受けることが必要となります。
許認可を受けて晴れて事業開始!と言いたいところですが、実は許認可を受けただけでは、その看板・目印が使えるかどうかはわかりません。
今日は、許認可と商標登録についてのお話です。
目次
- 許認可と商標登録は別モノと心得る
- 許認可は許認可専門の行政書士に、商標登録は商標専門の弁理士に
- 特許庁の審査には時間がかかるので、許認可に先立って商標登録出願を行う
許認可と商標登録は別モノと心得る
許認可は、一部の業種業態で営業を行うにあたって官公庁に手続が必要なもので、大きく分けて許可、認可、登録、免許、届出に分類することができます。
許認可は手続を行う先が、警察署、労働局、都道府県庁、市区町村役場など、その内容によって異なり、具体的な手続内容もそれぞれですので、営業を開始する前に十分な準備が必要です。
一方の商標登録は、営業上の目印を使用するための特許庁に登録を行うものです。
商標登録を受けると商標権が発生し、その商標を指定する商品・サービスについて独占的に使用することができるようになります。
裏返すと、他人が同じ商標や似た商標を登録していると、その目印を使用することができなくなってしまいます。
商標権の効力は、日本国内全土に及びますので、仮に日本のどこかの離小島で営業しようとしていても、商標権の問題はつきまといます。
許認可は、その業種業態で営業を行なうために必要なものであって、その目印を使っていいかは無関係なものですので、営業についての許認可を得られたとしても、営業上の目印である商標を使うことができるかは、別の問題だということです。
許認可は許認可専門の行政書士に、商標登録は商標専門の弁理士に
許認可も商標登録も、どちらも法令に基づく行政手続ではありますが、支援を行う専門家が異なっています。
許認可は、行政書士が支援を行っていて、都市部では許認可の内容によって更に細分化・専門化が進んでいるようです。
ご自身の営業を開始しようという場合に、その営業についての許認可に明るい行政書士の先生に巡り合えることが、スムーズな許認可手続の秘訣と言えるでしょう。
一方の商標登録は、知的財産権に関する手続であるため、行政書士ではなく、弁理士の専権業務になっています。
商標登録は、知的財産の一翼を担う重要な制度で、前述のように独占的な権利であることから、ご自身の営業を安心して続けていくには欠かせないものとなります。
弁理士は、商標の他にも、特許や意匠といった各種の知的財産権の取得・管理を行なっている法律家です。
しかし実際のところは、商標系、意匠系、特許系と専門が分かれていて、特許系はさらに機械・化学・電気・バイオなどのように、さらに細分化されている状況です。
商標は、ただ登録を受ければ良いというものではなく、権利範囲の設定の仕方が極めて重要になってきますので、商標に明るい専門家と巡り合えることが、将来の安心のためには非常に重要です。
特許庁の審査には時間がかかるので、許認可に先立って商標登録出願を行う
商標登録には、特許庁に出願をしてから審査結果が返ってくるまでに半年から10ヶ月程度を要していますので、時間にはゆとりを持って対応する必要があります。
開業するには準備のための期間も必要でしょうから、開業を考え出したら真っ先に商標登録に向けて出願を行っておき、開業前には商標登録が完了している(少なくとも審査結果を受領している)というのが理想的な流れです。
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