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041:【事業者・士業向け】続・既に他人の商標登録があったときの対応方法⑥変える(商標を変更する)

「知的財産は難しい」とよく言われます。このblogは、知的財産に関する疑問・悩みに答えていく「解説」記事です。「知的財産が分かった」を目指して、すっと理「解」していただけるように噛み砕いて「説」明していきます。

さて、今日のお題は「続・既に他人の商標登録があったときの対応方法⑥変える(商標を変更する)」です。

これまで、5回にわたって審査で他人の商標登録が見つかった時の対応方法についてお伝えしてまいりました。

しかし、これらの対応策をもってしても拒絶理由の解消ができない場合、あるいは、これらの対応策が取れないという場合、どうしたらいいのでしょうか。

商標を変えると言われても、どうしたらいいのか分からないという方へ、例として、3つの着眼点をお伝えしたいと思います。

目次


  • ① ロゴ化してみる
  • ② 前後に言葉をくっつけてみる
  • ③ スペルを捻ってみる
  • 粘り強くトライすることで登録を獲得

① ロゴ化してみる


商標が似ているかどうかは、その商標の見た目・読み・意味合い(業界では「外観・称呼・観念」と言います。)から判断がされます。

しかし、特許庁から登録を拒絶された商標が、標準文字商標のようにタイプ打ちしただけの商標である場合にはどうしても読み(称呼)に意識が向きがちです。

そこで、こうした商標について、思い切ってロゴ化してみてはどうでしょうか。

その商標をロゴ化すると、外観に強烈な印象が生まれることがあり、これを理由に、拒絶理由を解消することができる場合があります。

② 前後に言葉をくっつけてみる


特許庁から登録を拒絶された商標が日本語なり英語なりの文字でできたものである場合、その商標の前または後ろに、何か言葉をつけてみてはどうでしょうか。

言葉のチョイスは重要になってきますが、前後に何か別の言葉を加えることで、元の言葉を残したまま、全体としては見た目も読みも、意味合いも変わってくることがあります。

この結果、他人の商標とは商標とは似ていないということで、登録を受けることができる場合があります。

③ スペルを捻ってみる


特許庁から登録を拒絶された商標がアルファベット文字でできたものである場合、スペルを変えてみてはどうでしょうか。

前記の通り、商標が似ているかどうかの判断は、読みも重要な要素になりますが、スペルを変えてみることで、読みは同じだけれども見た目や意味合いがガラッと変わることがあります。

元の読みを残したまま、登録を受けることができる場合があります。

粘り強くトライすることで登録を獲得


これらのように、たとえ商標登録出願が拒絶されてしまったとしても、できるだけ元の商標の名残りを残したまま再チャレンジをしてみるということも、選択肢として覚えておきましょう。

いくら商標は、創作ではなく採択に過ぎないと言われているとはいえ、その商標を採択するに至ったには、みなさまそれぞれに何らかの想いやストーリーがあるのだと思います。

その商標ひとつで、モチベーションやイメージに大きな影響が出てしまうのも、ブランドの面白いところであり恐いところでもあります。

商標を変えてしまえと言うのは簡単なことですが、簡単に飲み込めるものでもないと思います。

包み隠さず言えば、前記のような手法をもってしても、登録を獲得できないというような場合もありうるところです。

その場合は、ガラッと商標を変えざるをえないこともあるでしょう。ですが、当事務所では、できるだけ期待に応えられる結果が得られるよう、最大限チャレンジをしていきたいと考えています。

前記の3つの着眼点は、あくまでも例であり、具体的なケースに応じて、これら以外の方策もご提案できるかと思います。

なお、商標を変更したことによって、変更後の商標が別の商標と似ているという場合もありえますので、変更した商標について出願をする前に、商標調査が必要なのは、ご注意ください。


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